旅行やテストなどに伴う月経の移動について
夏休みで海水浴シーズン真っ盛りです。そのため生理をずらしたい、という方が季節的に大変増えています。月経をずらす場合の基本的事項を中心に今日は述べてみたいと思います。
まずは、基本的には遅らせることが原則となりますが、遅らせるためには生理予定日の1週間前から薬を飲む必要があります。これより遅れるとギリギリになればなる程、薬を飲んでも手遅れで来てしまう、ということがあり得ます。旅行などあらかじめ予定がたっていることがほとんどでしょうから、最初から計画的に考えておいてほしいと思います。
内服薬はプラノバールという薬がほとんどですが、吐き気の副作用が10%程度の方(印象ではもう少し多く20%くらい、薬の添付文書では6.25%となっていますが)に起こりますので、せっかくの旅行中オエオエ言っていて楽しめなかった、ということがないよう、気持ち悪かった場合の対処法は主治医と相談すべきでしょう。
当院では、あらかじめ吐き気止めを処方するか、だめな場合は注射にする(これも自費となります)など考えておりますが、注射は1週間ごとに射たないと生理が来てしまうこともありますので長期の旅行向けではありませんので、注意が必要です。
遅れてくる月経については、遅らせる期間が長いということはそれだけ子宮内膜が厚くなり剥がれて出てくるものが増えることになりますから、多くなりがちでいつも月経困難がひどい方ではよりつらくなりやすいです。それに対しても鎮痛剤など準備しておくべきでしょう。
これら月経移動法はすべて保険適応ではありませんから自費診療になりますが、当院では、大体の目安で2週間の移動で3500円前後の治療費を頂いております。今後は、内服以外で(気持ち悪くなりにくい方法で)注射より長期に遅らせられるいい方法があれば、と思っていますが、更年期のホルモン補充の貼り薬や外国で売られている貼るタイプの避妊薬などが応用できるのではと考えており、なるべく早く導入しようと検討中です。希望の方は御相談ください。
それと、2ヶ月も3ヶ月も前からわかっていることに関しては、早めて調節するほうが楽ですからそちらをおすすめします。その場合は、2,3ヶ月前の月経中に受診くだされば早めにずらしてそのあと自然にまかせるという方法で済みます。早めた場合は排卵していない状態で来る生理ですから楽ですし吐き気が出た場合の対応もしやすいので、余裕がある方には断然そちらがおすすめです。
ピルを飲んでいる方については応用編ですから簡単です。1相性を飲んでいる方はそのままずっと同じように止めておきたい日まで飲む、2,3相性のものを飲んでいる方は最後の週に飲むものと同じものを続けて飲めばいいのです。この場合ちょっと他の錠剤が無駄になりもったいないですが、いつも慣れた薬の安心感には代えられないと思えば仕方ないはずです。
それでは、うまく生理を調節して楽しい夏休みをお過ごしください。