不妊でお悩みの方
当院における治療実績
令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | |
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卵管造影 | 153件 | 146件 | 185件 | 257件 | 272件 |
人工授精 | 198件 | 253件 | 272件 | 298件 | 265件 |
子宮鏡手術 (内膜ポリープ、筋腫) |
21件 | 31件 | 35件 | 31件 | 26件 |
卵管鏡下卵管形成術 | 12件 | 17件 | 12件 | 14件 | 15件 |
麻酔下卵管造影 | 16件 | 24件 | 31件 | 23件 | 22件 |
不妊でお悩みの方
不妊について
不妊というのは子供が出来にくい状態のことを指しますので(実際には不妊症という病気はありません)、何らかの原因があると考えられます。一般的な検査で原因がみつかる方はだいたい70から80%くらいで、あとの2、3割の方は一般不妊検査では原因がわかりません。体外受精をしてみてはじめて推測がつくもの(卵の質の問題や受精障害、着床障害など)や今の医学ではわかりづらい卵管のピックアップ障害などが含まれます。
検査、治療について
不妊の原因は、以下の6つくらいに大別され、検査でどこに原因があるのか調べて治療方針を決定します。
- 卵胞(排卵)
- 卵管
- 子宮
- 子宮頚管
- 精子(男性側)
- 子宮内膜症
不妊検査には1ヶ月程度、4~5回の通院回数がかかります。
検査ごとに生理周期の中で最適な時期が決まっていますので、タイミングよくその時期に通院できないともっと長くかかることになります。
検査費用概算:月経中採血 約5000円
卵管造影(油性造影剤:約8000円
水溶性造影剤:約5000円)
卵胞計測フーナーテスト 約2500円
高温期採血 約2000円
精液検査 SQAという器械による検査:自費5500円
AMH(卵巣年齢検査) 自費5500円
(注射の排卵誘発剤使用前だけ保険適用 1800円)
抗精子抗体検査 自費5500円
その他に初診料約1000円、再診料約500円がかかります。
卵管造影検査については、油性造影剤(リピオドール)、水溶性造影剤(イソビスト)の2種類があり、どちらで行うことも可能です。リピオドールの方が検査後の妊娠率がやや高いという報告がありますが、長く残存することが稀にあり癒着の原因になることもありえます。一方、イソビストは吸収が良いためそのような報告はありませんし、薬剤もイソビストの方が安価で検査料の差はそこから来ています。
検査で異常がみつかったら、治療に移ります、多くの場合、原因は1つではありません。複数の不妊原因と思われる病気がみつかることもあります。その場合すべての原因を取り除いてはじめて、妊娠が成立することも珍しくはありません。
治療の進め方
基本的には、原因を治療しながら、タイミング法数ヶ月→人工授精6回→体外受精へのステップアップ(年齢により同じ治療を試みる期間は短くなる場合あり)というふうに考えます。
原因別にまとめます。
- 排卵因子(排卵誘発剤使用)
クロミフェン(セキソビット)4、5回 → レトロゾール4、5回 → 注射の排卵誘発剤4、5回 - 卵管因子
■片側なら→排卵誘発で通過した方の排卵を促す。
→もう片方も開通させる(卵管鏡下卵管形成術)。
■両側なら→卵管鏡下卵管形成術(近くが閉塞の場合)→腹腔鏡手術(遠くが閉塞の場合)→体外受精希望なら他院へ紹介 -
子宮因子
■内膜ポリープ、粘膜下筋腫
→排卵誘発など、他の原因の治療をしてもできなければ、子宮鏡下切除。
■子宮筋腫、子宮腺筋症
→漢方やホルモン療法などの薬物療法、他の原因の治療をしてもできなければ手術(他院へご紹介)。 - 頚管因子
■フーナーテスト不良→抗精子抗体を調べ、人工授精。人工授精については令和4年4月より6回までは保険適用可能です(5460円)。朝なら8時夜なら19時30分に2時間以内に採取した精液(人工授精前2,3日は禁欲が必要)をご持参いただき、0.2cc位に濃縮したものを専用チューブで注入します。外来時間の前後に行いますので、朝は2000円、夜は4000円の時間外料金を別途頂戴致します。
-
■粘液不良
→クロミフェンを中止し、注射の排卵誘発。粘液が増えなければ、人工授精。 - 男性因子
■数回の精液検査で所見不良
→漢方やサプリメント
→人工授精4回(4回までに8割は妊娠)それでダメな場合は体外受精(顕微授精)へのステップアップをお薦めします。 - 子宮内膜症
一通りの検査で他に原因がなければ、腹腔鏡検査・手術
※最初に手術が嫌な方は、まず、漢方や薬物療法4ヶ月(ディナゲストやナファレリン、レルミナ内服やリュープロレリン注射)
主な検査の画像
主な検査の動画
フーナーテストとは、排卵日頃に性交をもった後、頸管粘液を調べる検査です。具体的には、頸管粘液を採取して、その中に運動性の良い元気な精子がどのくらいいるかを顕微鏡で調べます。頸管粘液が伸びる状態になった時しか正確な結果が得られないためタイミングが大事な検査です。タイミングが合わず何回か行うことも珍しくありません。