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40代のマンモグラフィーは?

[2010.07.12]

ちょっと前にアメリカで40代の女性にはマンモグラフィーを薦めない、という報告がなされ、物議をかもしました。これについては、日本人ではどうなんでしょうか?考えてみたいと思います。

アメリカ人女性のデータについても、死亡率減少効果はあるのです。ですから無効というわけではなく有効は有効なのです。しかし、有害事象という専門用語が出てくるのですが、これが有効性を上回る、ということのようです。有害事象というのは結局疑陽性(ほんとは癌じゃないのに癌の疑いと言われ組織診(針を刺して組織を採ること)をする)の人が多くなりすぎた、ということなのです。アメリカ人は皆さんもおわかりのように日本人より乳房の発達した人が多いですから、乳腺組織が厚く映るために診断がつきにくくこういうことになるのだと思われます。それと、アメリカ人の場合、乳癌に一番なりやすい年代が日本より20年くらい遅いのです。60代70代の病気というイメージなのです。そこで、40代ではマンモグラフィーは薦めないという結論が導き出されたのです。

日本人では、死亡率減少効果は当然認められますし、何より子育て真っ最中のこの世代(40代)が一番乳癌の発生率が高いのです。ですので、今まで通り、40代の方は2年に一度は必ずマンモグラフィーを受けて頂きたいと思います。アメリカのデータはあくまでアメリカ人向けです。日本では、すぐ組織診とならず、エコーやMRIも組み合わせて診断することが多いため有害事象は少ないと思われます。

現在、日本では独自に、エコーが乳癌検診に有効かどうかの研究が進行中ですので、その結果を待ちたいと思いますが、とにかく従来通り2年に1回マンモ、毎年エコーという認識でいて頂いて大丈夫です。それと、先日の研究会で聞いてきたのですが、自己検診はするな、ということでした。大丈夫と思った場合に他の検診を受けなくなるから、というのです。自己検診が有効なのは定期的にマンモやエコーで検診を受けている方のみ、なのです。注意してくださいね。

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