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血液型と不妊治療

[2009.02.12]

不妊治療においては、いろんな検査があります。その結果に対して一つ一つ解釈があり、妊娠の邪魔をしている可能性のあるものを数え上げたらきりがないくらいです。最近ある患者さんとお話をしていて、私が「そこは気にすることはないと思いますよ」と言ったことを、その方は気にされていて、聞くと血液型がA型でした。私は、「おおまかなポイントさえ押さえればあとは大体でいいでしょう」という大ざっぱなO型で、今までいろんな方の治療をしてきた中で、もう少しこの血液型を気にして説明や治療を加減していれば、もっとドロップアウトする人が少なかったかも、と思い当りました。そこで、ブログに書くような話かもしれませんが、記念すべき第1回医療コラムにこのことを書いてみようと思います。

勤務医時代にジネコという掲示板に悪口を書かれたことがあり、「私はそんなにアバウトか?」と思ったりもしたのですが、その人いわく「排卵日の時の卵胞チェックとタイミングは大体だし、サプリメントは食べる程出されたし」といったことが書かれていました。多分その人はA型で(推測ですが)、排卵前には毎回LHを病院できちんと確認して、排卵確認までしないと気がすまなかったのでしょうし、サプリメントも一つ一つはっきり意味付けがないといやだったのでしょう。確か、卵巣機能を良くするため漢方(当帰芍薬散〔とうきしゃくやくさん〕か温経湯〔うんけいとう〕のどちらかを出していたと記憶しています)と、内膜を厚くし着床能を改善するということで、ビタミンEとビタミンCを出していました。そして誘発にクロミフェンを始めたところでの、ドロップアウトでした。サプリメントの説明にあまり納得されていなかったのかもしれませんが、疑問をその場で解消してあげなかったのが、投稿につながったのでしょう。

確かに厳密には、毎回排卵のタイミングをみて排卵の確認までしなければいけないのでしょうが、「家で、尿の検査で排卵日推測して大体でタイミング合わせてね」で、できる人はできるのですから、昨今の経済不況下では、あまりに厳密で通院回数が多すぎるのも嫌がられるのではないかと思って遠慮してしまいます。「あ、はいはい大体自分でみておきます」と言ってくださるO型の人とは、やはり相性がいいのかもしれません。

B型の人は、治療自体が根気のいるものなので、あまり治療が長続きしない可能性があります。やはり、「一通り検査をやってください」なんて言っていないで、自分の勘でなんとなく一番重大な原因と思われるものから叩いたり、ステップアップを早めにしてあげるべきかもしれません。

ABの人は、ほとんど記憶にないのですが、学生時代の友人たちの印象からは、ちょっと変わった自然療法にはまったりする危険性があるかもしれないので、うまく普通の治療法の範囲の中でやっていってもらえるよう誘導しないといけないのかなあ、と思っています。

今後、不妊治療の方に血液型を伺うことがあると思いますが、これもコミュニケーションを良くしてすれ違いを減らし、ドロップアウトする人を少しでも減らせたら、ということのためです。もちろん型にあてはめすぎはよくないので、色めがねで人をみないようにしたいとは思いますが、A型の人には少し細かく、O型の人にはまあ今までのペースで、B型の人には体外受精までも含めて早めのステップアップを、AB型の人には常に最新の知識を仕入れることで対応せねば、と思っていることは確かです。

もし、「今までいろんなクリニックで治療して医師との相性がいまいちだった」という方は、もしかしたら、血液型の相違によるこだわりポイントの違いがあったのかもしれません。そして、ついつい私が「まあいいでしょう」というようなことを口にしたら、このドクターはO型だから仕方ない、と少し大目に見てくださると幸いです。いずれまた、血液型別の統計が出せるようになるといいなと思っています。

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