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不妊でお悩みの方

不妊でお悩みの方

不妊について

不妊について不妊というのは子供が出来にくい状態のことを指しますので(実際には不妊症という病気はありません)、そこには何らかの原因があると考えられます。一般的な検査で原因がみつかる方はだいたい70から80%くらいで、あとの2、3割の方は原因がわからないことがあります。その中には体外受精をしてみてはじめてわかるもの(卵の質の問題や受精障害、着床障害など)や今の医学ではわかりづらい卵管のピックアップ障害などが含まれます。

検査、治療について

検査、治療について

不妊の原因は、6つくらいに大別されます。

  1. 卵胞(排卵)
  2. 卵管
  3. 子宮
  4. 子宮頚管
  5. 精子(男性側)
  6. 子宮内膜症

不妊治療では、原因を調べるための検査に1、2ヶ月かかります。
検査ごとに生理周期の中で最適な時期が決まっていますので、タイミングよくその時期に通院できないともっと長くかかることになります。

検査で異常がみつかったら、治療に移ります、多くの場合、原因は1つではありません。複数の不妊原因と思われる病気がみつかることもあります。その場合すべての原因を取り除いてはじめて、妊娠が成立することも珍しくはありません。

当院では、より重要と思われる不妊因子のランク付けを行っており(医療コラム「不妊原因重要度番付」参照)、重要な因子から優先して治療されることをおすすめしています。

治療例

患者さんのプロフィール

  • 35歳 結婚3年
  • 生理痛あり
  • 結婚以来避妊していないが子供ができないとのことで来院
  • 検査では、基礎体温の高温期やや短く黄体ホルモン分泌がやや少なめ。
  • 子宮内にポリープ(子宮内膜ポリープ)あり。
  • 超音波で両方の卵巣に子宮内膜症と思われる卵巣のう腫(直径2、3センチのチョコレートのう腫)を認めた。
  • ご主人の精液検査の結果は、やや少なく精子濃度1500万/ccくらいで、運動率もギリギリの50%程度

上記患者さんの例では、4つも原因と思われることが見つかりました。

この方の治療はまず、1ヶ月目に黄体ホルモンの分泌を増やし、良好な卵胞を育てるために、排卵誘発剤を使用しました。しかし卵胞の発育が良くなっても着床しなければ意味がないので、次の月(2ヶ月目)にすぐ子宮鏡を用いてポリープ切除術を行いました。ご主人には漢方薬とビタミン剤、循環改善剤などを内服していただきましたが、精液の状態があまり改善しないので、3ヶ月目に入りすぐ、人工授精を同時に行いました。

4回人工授精をしましたが妊娠に至らず、この過程で最終的に原因と考えられるのが、子宮内膜症と判断しましたので、2ヶ月間生理を止める薬を使って血流を減らしたのち、腹腔鏡手術を行いました。子宮内膜症の程度としてはある程度進んだIII度という状態でした。卵巣のう腫の部分だけでなく腹膜に広がった病巣もしっかり焼いて、子宮内膜症が出す免疫物質を洗い流す目的で4リッターの生理食塩水でお腹の中を洗いました。2ヶ月後生理が再開し1回目の人工授精ですぐに妊娠でき、無事出産となりました。

この方の場合、初診から約1年後の妊娠でしたが、あとから考えると、子宮内膜症が一番妊娠の邪魔をしていたということがわかります(不妊治療においては、あとから考えるともっと先にこれをすれば良かった、という風に思えることがたくさんあります)。この様に、往々にして子宮内膜症というのは一番重大な原因であることがあります。

不妊治療には根気が必要であるとはいいますが、、この方のように、手術を受けるには他の原因を治療したのにだめだったから仕方ない、と思っていただくだけの心の準備が必要なことが多くあります。

治療の進め方

いくつかの原因がみつかった場合、薬でできることからやって手術的なことはその後にするのが一般的です。腹腔鏡手術を受けるにしてもリスクがないわけではありませんから、心の準備をしていただく期間が必要です。以前一度、最初に手術を考える提案をした方が次から来なくなってしまわれたケースがありました。その方は、内膜症も子宮筋腫もあり、医師の目線からすると妥当な治療方針でした。しかし、不妊の方は日常生活に困る症状があるわけでもなく、元来健康な方、元気な方ですから、いきなり手術というのは恐ろしいことのように聞こえてしまいハードルが高かったのだと思います。すでに他の病院でもいろいろ検査治療してきて、覚悟は出来てるからとにかく早く欲しい、という方には手術を先にしても良いかもしれませんが、一般的な流れは、内服薬の治療6ヶ月→注射の治療か手術→術後の状態で同じ治療を6ヶ月から1年→それでうまくいかなければ体外受精を視野に入れる、という流れになります。しかし、「腹腔鏡手術を受けるのは嫌だから、6ヶ月から1年の治療でだめならすぐ体外受精を」という方もいらっしゃいます。「子宮内膜症があっても体外受精の結果には影響しないことが多い」と言われていますから、「早く結果がほしい」「手術は怖い」という方にはそれも良いかと思います。

いくつかの原因が考えられる方には、ご夫婦の考え方やご希望を伺い、何を優先して治療の順序を決めるのかを相談させていただきます。こちらからお示しする提案はあくまで提案ですから、ご希望をどんどん伝えていただいて一緒に考える姿勢を持ち続けたいと思います。これこそがオーダーメイドの治療と言えると思います。徐々にステップアップという一般論にしばられる必要はありませんし、ステップダウンということもありえます。

なお、一般的な治療以外でも、「良い」と言われることは何でも(非科学的なこと以外は)取り入れてやってみたいと思っています。サプリメントや漢方薬の処方、低反応レベルレーザー照射、保険による禁煙指導なども行っていますので、それらについてもお気軽にご相談ください。

過去10年くらいの間に治療してきた方の成績からおおまかな見通しを申し上げると、不妊で初診された方の5、6割の方が一般治療(腹腔鏡手術まで含む)で妊娠され、2、3割の方を体外受精のできるクリニックへご紹介しています。残りの2割くらいの方は治療が続かずドロップアウトされています。

当院における主な原因別フローチャート
  1. 排卵因子
    クロミフェン(セキソビット)4、5回 → フェマーラ4、5回 → 注射の排卵誘発剤4、5回
  2. 卵管因子
    卵管造影で閉塞

    ■片側なら
     →排卵誘発で通過した方の排卵を促す。
     →もう片方も開通させる。
     1.子宮鏡下選択的通水
     2.卵管鏡(2010年1月より導入)
    ■両側なら
     →子宮鏡下選択的通水、または、卵管鏡。
     →希望者は体外受精(他院へご紹介)。

  3. 子宮因子

    ■内膜ポリープ、粘膜下筋腫
     →排卵誘発など、他の原因の治療をしてもできなければ、子宮鏡下切除。
    ■子宮筋腫、子宮腺筋症
     →漢方やホルモン療法など、他の原因の治療をしてもできなければ手術(他院へご紹介)。

  4. 頚管因子

    ■フーナーテスト不良
     →抗精子抗体を調べ、人工授精。
    ■粘液不良
     →クロミフェンを中止し、注射の排卵誘発。粘液が増えなければ、人工授精。

  5. 男性因子

    ■数回の精液検査で所見不良
     →漢方やサプリメント
     →人工授精3回(3回までに8割は妊娠)
     →受精能力検査
      ・クルーガーテスト(染色)
      ・精子生存試験
     受精能力不良と判定されれば、顕微授精へ(他院へご紹介)

  6. 子宮内膜症

    一通りの検査で他に原因がなければ、腹腔鏡検査・手術
    ※最初に手術が嫌な方は、まず、漢方や薬物療法3~4ヶ月(ナファレリールやディナゲスト)

不妊治療の経歴について

私は大学病院では卵巣がん子宮体がんの癌細胞を培養し抗がん剤感受性試験という分野の研究をしており、実際の臨床でも多くのがん患者さんの主治医を務めていたため、大学では不妊症治療にはほとんど携わっていませんでした。不妊治療を始めたのは大学を辞めて一般病院に勤務し始めて腹腔鏡手術をはじめたのと同じころです。子宮内膜症の腹腔鏡手術後に患者さんが面白いように妊娠していかれ、その効果を実感しながら技術を磨くことに没頭しました。体外受精に行くまでの段階で如何に妊娠してもらえるかいろいろ試行錯誤してきましたので、私に体外受精を行う技術はありません。こうした経緯から、当院で可能な不妊治療については人工授精、子宮鏡まで(腹腔鏡手術の場合、西埼玉中央病院にて執刀可能)となっています。しかし一般的には、体外受精に対しては抵抗があるという方がまだまだ多くいらっしゃいますし、一般的な治療こそが必要な二人目不妊という方も増えている気がします。「働きながらの不妊治療で、早い時間で終わる外来だと通院できない。」という方も多くいらっしゃいます。私が開業した意味、貢献できる役割はそのあたりにあると考えております。

私は、不妊治療に必要なものは、現状(健康だし元気だし自分の時間はあるし、仕事も充実しているし・・・)を変える勇気と治療に対する不安(腹腔鏡は怖いし、体外受精も針を刺して卵を採るなんて・・・)を乗り越える勇気、ではないかと思っています。少しでもその勇気を持っていただけるようお手伝いができればと考えています。

主な検査の画像

エコーによる卵胞計測時の写真

卵管造影検査時、子宮鏡検査時の写真

主な検査の動画

フーナーテストの様子

フーナーテストとは、排卵日頃に性交をもった後、頸管粘液を調べる検査です。具体的には、頸管粘液を採取して、その中に運動性の良い元気な精子がどのくらいいるかを顕微鏡で調べます。

当院における治療実績
 平成25年平成26年平成27年
卵管造影 175件 216件 166件
人工授精 230件 294件 284件
子宮鏡手術
(内膜ポリープ、筋腫)
23件 17件 38件
卵管鏡下卵管形成術 10件 24件 13件

 

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